日常的に「思考力」という言葉を使っていると思いますが、そもそも「思考力」とは一体何でしょうか?

思考力という言葉を使うとき、たとえば、ノウハウや知識をインプットした後、「そのノウハウをいかに実践するかを考えるために必要な力」というような使われ方が一般的だと思います。

もちろん、それも「思考力のうちのひとつ」だと思います。

しかし、私はそれ以上に「インプットの際にも思考力を働かせることができるかどうか」こそが、ライバルと大きな差を付けるための分岐点になると考えています。

たとえば、私はビジネスセミナーなどにも顔を出すことがありますが、程度の低い自己啓発セミナー(言い方が悪いですね笑)などに行くと、講師の「やりたいことをやりましょう!」という言葉に感銘を受け、そのままの勢いで仕事を辞めてしまう人が一定数いたりもします。

時に、こういった人たちが「行動力がある」と褒められたりすることもあるかもしれません。

良いように捉えれば「行動力がある」「素直である」と言えますが、私はリスク管理ができないような人間は起業家として失格だと考えています。

私はそもそも行動力なんてものは不要なんじゃないかと思っています。

行動できない理由は、単に「準備が整っていないから行動できていない」という、それだけのことだと思うからです。

「準備が整っている、そして行動すれば結果が出ることは目に見えている」

この状況であれば、いわゆる「行動力」が無くても誰もが行動するでしょう。

結局は「行動力=準備力」だという考え方です。

だからこそ、私は「準備もできていない段階で行動してしまう人」に対しては、ビジネスを行う者としての「センスの無さ」しか感じません。

リスク管理ができていないとしか思えない経営者に、誰が仕事を頼むでしょうか?

もちろん、ビジネスを行う際にはどうやっても不測の事態には直面してしまうものです(それがリスクです)が、あまりにも「リスクへの配慮」が抜け落ちているとしか思えません。

「勢いで行動できる(してしまう)人」が成功事例として紹介されていることが多いからこそ、「勢いのある行動力」が評価されているように思われていますが、その実態は「演出」による場合もほとんどです。

「準備万端にして稼ぎました!」と言うよりも、「破天荒に行動して稼ぎました!」と言う方が、なんとなくカッコイイと思いませんか?(笑)

もちろん、以前にも説明したように外的な要因にも左右されるのがビジネスなので、そういう意味では「完全な準備」が整うことはあり得ません。

しかし、様々なパターンを想定した「リスク管理」はやらなければ起業家としては失格です。

そして、ある程度綿密な「リスク管理」ができれば、「行動をしよう!」というように、いわゆる行動力を自分で鼓舞しなくても、ある程度道筋に確信が持てるようになれば、勝手に行動したくなります。

そうならない時点でおそらく「準備不足」であるだけなんですね。

運に任せるのであれば「勢い」でやってしまって結果を出すことも可能性はゼロでは無いのかもしれません。

しかし、一体その裏で何人が「勢いが良すぎること」「素直すぎること」「”いわゆる行動力”がありすぎること」が原因で失敗しているのか・・・・それは実際に、私が知っている限りでも多くの事例を見てきています。

ちなみに、有名な人であれば、一見して行動力のあるホリエモンも「準備」をぬかりなくしてビジネスに臨んだ起業家だと考えています。

彼の自叙伝などを見ると「”勢い”が大切だから、借金をして起業した」というようなことが書かれています。

しかし、よく読むとアルバイト先でプログラミングの実力を付け、個人でも仕事の受注を受けてみたりと、自分でも「いける」という確信と自信が持てたからこそ、様々な準備ができて初めて「借金」という行動ができたという見方もできると思うわけです。

思考を働かせる

結果に繋がらない人間と結果に繋がる人間に分かれてしまうのでしょうか?

ちょっと根本的で抽象的な話になりましたが、そのひとつの理由として、先程の例であれば「やりたいことをやりましょう!」という意味を、あまりにも表面的に文字通りに捉えすぎてしまうことが失敗してしまう人の特徴と言えます。

頭を使って考えていれば「やりたいことをやりましょう!」の意味は「やりたいこと”だけ”やりましょう!」という意味ではないことはわかるはずです。

そういった勢いで仕事を辞めてしまう方は「やりたくない仕事が嫌だ」と考えているのかもしれませな、「なぜそんな嫌なことをやっているのか?」と改めて考えてみれば、その「嫌なこと」をすることで「他のやりたいこと」ができるからではないでしょうか?

その事実を無視してはいけませんし、忘れてはいけません。

やりたくないことをやめることによって、同時に「やりたいことを失ってしまう可能性」を考えていく必要があるということです。

インプットと思考

だからこそ私は、インプットの際にこそ「思考力」を働かせることが大切だと考えています。

インプットをする際には、知識・ノウハウを表面的に理解しては何も意味はありません。

特に人間は、自分にとって都合の良い解釈しかできなかったりしますから、インプットのときにこそ注意しなければならないことは多くあるはずです。

どれだけ多くの本を読んでもあまり変わらない人がいるように、インプットも頭を使って行わなければ意味をなさないということです。

自分にとって効果的に知識をインプットしていくのであれば、その発言の裏にどういう意図があるのか、そしてどういう意味があるのか、そういったことを考えながら「言葉の意味」を正確に捉えていくことが必要だと思います。

アウトプットのときだけでなく、インプットの際にも思考力を働かせて、言葉の意図・意味を深く考えて正確に知識を理解していく・・・

是非、そんな思考力の働かせ方を意識して、ビジネスに取り組んでみてはいかがでしょうか。